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百合とバーボン(パクリ小説)

モザイク除去!
完全書き下ろし(大袈裟)(笑)
罵声コメント覚悟。
もう、閉鎖してもいい。
加地山亮も、出ていってしまったし・・・。
←記事一覧から開いてください。10コ目くらいです。
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百合とバーボン

・・・ポトッ・・・・・・・・・・

百合の花が落ちた。
頭が取れて、首だけが、ジュータンの上に落ちた。
一輪だけ・・・。
真っ白な百合の花・・・。

・・・あぁっ!・・・・・・・・・・
女はイッた・・・。
女の体は男にしがみついたまま、まだピクンピクンと痙攣している。
女は男の首に両手を絡めたながら、しばらく余韻に浸っていた。

PURRRRRR!
ベッドサイドの電話が鳴った。
亮は由美を抱きながら、受話器に手をかけた。
「はい・・・いえ・・・出ます・・・10時に・・・」
受付から、延長しますか、という電話だった。
「帰っちゃうの?・・・」
「うん・・・夕方から仕事だからな・・・昼までには帰りたいんだ、悪いけど・・・」
亮は女の腕を除けて、上体を起こした。
「んっ?・・・」
亮の目に入ったのは、真っ白な百合の花だった。
「なに?・・・」
由美が不思議そうな顔をしている。
「花が落ちてる・・・百合の頭が・・・」
真っ赤なジュータンの上に、首の折れた白い百合の花が落ちていた。
電話の横のガラスの花瓶にいけてある、数本の花だった。
「いやだわ・・・ふつうこんなふうに落ちるかしら、新しい花が・・・」
「っふふ・・・俺たちの振動で揺れて落ちたとか」
「やだぁ、亮くん、もう、エッチねぇ」
スッパダカの亮は回転ベッドから降りて、部屋の隅にある小さな冷蔵庫のほうへ向かった。
「ああ、ノド渇いたなぁ・・・なんかさっぱりしたジュースかなんか・・・あっ!」
「どうしたの?」
潤んだ目で亮の裸体を見ている由美が、不思議そうに尋ねた。
「お酒、引っこ抜いちゃったよっ!間違えた、あ~あ、どうしよう、いらねえよっ、朝から酒なんか、バーボンだって、これ高いぞ」
引き抜いた分の料金だけ、フロントで精算されてしまうという、踏み倒しのできない冷蔵庫だった。
「ああっ、もう入らないよっ!どうしよ~っ!やばい」
「飲めばいいじゃない」
由美が気だるそうに言う。
「はぁ~、しょうがない、持って帰るか・・・それとも由美ちゃん持ってく?」
亮はバーボンの小瓶を持ったまま、まだ由美が裸で寝ているベッドの脇に腰掛けた。
「いらないわ・・・ねえ・・・」
「なに?・・・」
「亮くんさぁ・・・誰か・・・好きな人いない?・・・」
「えっ・・・好きって・・・いるよ、由美ちゃんが・・・」
「ウソ!・・・」
「なんでウソなの?」
「・・・わかるのよ・・・抱き方で・・・なんとなく・・・うふっ・・・女の勘は鋭いのよ・・・」
「・・・・・・・・・・」
亮の心臓が動いた。
イヤな動悸が打っている。
バーボンを握っている手の中が、ジワリと汗ばんできた。
「いるんでしょ!」
由美が亮に詰め寄った。
「誰よ・・・だれっ?!」
「え・・・・・・・・・・」
「隠さなくてもいいわよ・・・エッチでわかるのよ、ちゃんと・・・」
「や・・・その・・・」
「言いなさいよっ、じれったい!」
由美は亮の腕を掴んで、振り回した。
「ああっ!危なっ!」ガチャン・・・・・・・・・!
亮の手からバーボンが落ちて・・・割れた。
「あっ・・・割れちゃった・・・も、もったいない・・・高い酒・・・」
毛足の長いジュータンなのに、小瓶が割れてしまったのだ。
これ以上黙っていると由美がなにをするかわからないと悟った亮は、仕方なく正直に打ち明けた。
「誰よぉ~」
由美は頬を膨らませている。
「あ・・・あの・・・」
「だれ!」
「あのぅ・・・ね・・・」
「え?聞こえない・・・」
「・・・ね・・・」
「ええっ?ね・・・誰?」
「ね・・・」
「だから、ね誰よ!」
「ね・・・ね・・・寧音さん・・・」
「ええっ!寧音さんって・・・あの・・・クラブ寧音のぉ?!」
「・・・ん・・・うん・・・」
「へえええええええっ!貴方、ああいうタイプが好きなのっ!・・・ふうううううん・・・」
由美は、めいっぱいイヤミったらしく亮に攻め寄った。。
「じゃあさっ・・・なあああああんで、わたしと、寝、た、のっ!!!」
「・・・・・・・・・・」
「答えなさいよっ!答えを聞く権利はあるわよ、わたしにはっ!」
「あ~、あの~、俺さぁ・・・昔から、わる~~~い癖があって・・・マジに好きになると、絶対に本人には好きって言えないんだよ、ははっ・・・それで、別にどうでもいい女と付き合ったりなんかしちゃって、あはは・・・」
「そ!それがわたしだってこと?し、失礼ねっ!それ、女性に対してすっごく失礼なことしてるのよ!」
「ん・・・わかってるんだけど・・・」
「なんか亮くんって男らしくないわね、セコくてコソクで・・・そういうのを女の腐ったのって言うのよ」
「なっ・・・なにぃ!おんな?!女?オンナ~!」
「そうよ、オンナ~ッ!」
亮はガバッと立ち上がった。
急いで服を着て上着と財布を鷲掴みにし、振り向きもせずに足早に部屋を出ていってしまった。
廊下まで続く、毛足の長い真っ赤なジュータン・・・亮が去っていく足音は、聞こえなかった・・・。

「亮くん・・・」
ひとり残された女は、割れたバーボンのガラスの破片を拾い集めて、百合の花と一緒に白いダスターボックスに放り投げた。



夕刻・・・空が赤から藍に移りゆくころ・・・バーテンの亮は、クラブ寧音に出勤した。
厚みのある高級そうな重たいドアを開けると、店の中に二人の人間のシルエットが浮かんだ。
(チッ・・・またあいつ来てやがる・・・まだ、開店前じゃんか)
シルエットは、寧音とその恋人のビョンホンだった。
「あ、亮くん、おはよう」
「・・・・・・・・・・」
なにか朝から虫の居所が悪い亮は、寧音の挨拶にも答える気にはならなかった。
ママの寧音はカウンターの中で、かいがいしく男のために水割りを作っている。
(ケッ・・・ウィスキーかよ、だせ~え・・・俺なんか、今朝ラブホでバーボンを落として割ったんだぜ・・・)
開店前の明るいカウンター席で、水割りをチビチビやっている外国人の男の隣に・・・亮は腰掛けた。
「・・・ア・・・アンニョンハ・ハセヨ・・・」
ビョンホンはプッと吹き出した。
(なっ!なにがおかしいんだよっ!)
「なあああにぃ?亮くん、改まってハングル語なんか使っちゃってぇ」
寧音も笑っていた。
「よくご存知で、ハングル語」
「いえ、ま、昔ちょっとラジオ講座で勉強したことがあるんで・・・んなこたぁどうだっていいっ!きみ、日本語しゃべれんのか?」
「はい、日常会話くらいなら」
「ちょっときみに話が」
「はい、なんでしょう」

・・・好きな人に告れないなんて、女の腐った奴ー!!!・・・

亮は、女の軽蔑した言葉が脳裏を駆け巡った。
亮はビョンホンのほうへシャキッと体を向けた。
「ビョンホンくん!」
「はい・・・」
「きみに言っとくが、俺は・・・俺は・・・寧音さんが好きだ!」
「なっ・・・なに言い出すのよ、亮くん!」
寧音は大きな瞳を、よりいっそう大きく開かせて、亮を諭していた。
ビョンホンは、黙ってウィスキーを飲んでいた。
男の妙に落ち着き払った態度が、また亮の癇に障る。
「それで?・・・」
ビョンホンは微動だにせずに、聞き返した。
(ムッ!・・・どこまでもムカつくヤロウだ・・・)
亮の嫉妬心に火がついた。
(もうヤケクソだっ!どうにでもなれっ!)
「おい、ビョンホン!」
「はい?」
「俺はなぁ・・・きみが寧音さんと付き合うずっと前から、寧音さんが好きだったんだよっ!・・・それだけだよ・・・」
ビョンホンは顔色ひとつ変えなかった。
寧音は、ガチャガチャとうるさい音を立てながら、グラスを洗って事態を誤魔化していた。
「それだけ言っとくからな・・・」
そういい残すと、亮は自分の持ち場のカウンターに入っていった。
「寧音さん、どいてください、ここは俺の仕事場です・・・店開けたらどうですか」
亮は寧音の体を軽く押し除けた。
「あ・あ・あ・あ・そ・そうだったわね・・・」
寧音は恥ずかしそうにカウンターを潜り、ドアのほうへ駈けていった。
真紅のドレスの裾が、翻った。
(白い百合・・・紅いドレス・・・俺は、毒のある紅のほうが好きだな・・・)

(バーボンか・・・飲んだことないなぁ・・・)
亮は後ろのケースからバーボンのボトルを取り出し、コッソリと隠れてグラスに注いでみた。
氷もミネラルウォーターも入れずに、一口舐めてみる。

「まずっ!」

亮はバーボンの液体を流しに捨てた。
・・・女の腐った奴!・・・
あの女の言う通りだ。
結局、亮は憎い男を通じてしか好きな女に告れなかった。
亮は、本当に女の腐った奴なのかもしれない・・・。
落ちた百合の花・・・割れたバーボン・・・流れた琥珀色の液体・・・真紅のドレス・・・
亮は・・・いったい何を求めているのだろう・・・・・・・・・・。

おわり


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